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自分用外部記憶箱

Shoulder Blade OUTERSPACE

 Shoulder Blade OUTERSPACE*1は2019年リリースのMSXシューティングゲーム

 第2回BEEPレトロホビーゲームコンテスト銅賞受賞*2。スペイン、MATRA COMPUTER AUTOMATIONS*3からROMカートリッジ版がリリースされ、少量ではあるがBEEP秋葉原店頭でも販売された。

 

 

コンセプト

  • 前作Shoulder Blade OVERDRIVEの姉妹編となる疑似3Dシューティングゲーム。自機やボスのデザイン、ダブルタップによる緊急回避操作等が共通する一方で、その実まったく異なるゲーム性を有する。作者自身は前作を装甲騎兵風、本作を超時空要塞風と位置づけている。
  • 方向操作で直接制御されるのが自機ではなく照準器であるのは前作同様だが、本作では加えて画面全体が照準器が向けられた銃口方向へ動き、結果、自機が見た目上逆方向へ流されるという特殊な挙動を示す。*4
  • 全9面(本作ではPHASE)構成だが1〜3周目(本作ではLOOP)はそれぞれ内容が異なるため、実質27 PHASE構成となっている。以降、リニアに難易度が上がり続けるエンドレス。
  • 各LOOPの3、7 PHASEは惑星防衛戦となり、惑星破壊爆弾を打ち漏らすとゲームオーバーにこそならないが、ストックしていた残機をすべて失い、以降いくら得点してもエクステンドしなくなるというペナルティがある。

技術的特徴

  • 拡張された優先度付きスプライトローテータにより、無印MSXながら擬似的に多色摺りスプライトを実現。
  • NTSC/PALの二種のMSX規格に対し自動速度調整。
  • 前作から継承された、MULTICOLORモード近似の手法で実装されたダイナミックにアニメーションする巨大ボスキャラクタ。
  • 佛陀斬以来継承される、可変性の高いオブジェクト管理機構による幅広い難易度レンジ。

 

 

裏話

  • ブート時に上方向へ入力しておくとサービスメニューが起動する。
  • BEEPレトロホビーゲームコンテストに提出した版は 4 PHASE 6 LOOP のアップテンポなアーケードライク構成となっている。このバージョンは上記のサービスメニューから選択可能な他、ブート時に左方向へ入力しておくことでもプレイすることができる。
  • MSX2以降では無印MSX近似のパレット設定がおこなわれるが、ブート時に下方向へ入力しておくとMSX2デフォルトのパレットでプレイできる。
  • 本作開発とコンテスト参加のそもそもの目的は、BEEPとMATRAに接点を設けることを狙ってであり、実際に開発中にMATRA側がその意図に気づいて動き出したことから店頭販売が実現したのだが、作者自身の真の目的が、AKIBA PC Hotlineの『取材中に見つけた○○なもの』に載ること*5だったのは公然の秘密だ。

 

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Sirelionによるパッケージアート

*1:ショルダー・ブレード・アウタースペース、と読む。イニシャリズムが前作と被っているのは、あちこちでShoulder Blade OVERDRIVEがタイトルを正しく書かれないままにSBOと略称されていたことに対する意趣返しである。

*2:https://www.beep-shop.com/blog/14740/

*3:http://www.matranet.net/

*4:この点について、受け入れ難い人には受け入れ難いらしく、中にはジョイパッドを逆さに持ってプレイしていると公言するプレイヤーもいた。
https://twitter.com/miyumilkyusagi/status/1217695823842070528
そこまでして楽しんでいただけると、作者冥利に尽きるというもの。

*5:https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/1228474.html