Shoulder Blade OVERDRIVE*1は2018年リリースのMSX2用シューティングゲーム。MSXdev'18*2 Freestyle Categoryにて準優勝。スペイン、MATRA COMPUTER AUTONATIONS*3からROMカートリッジ版がリリースされた。
コンセプト
- 自動操縦される人型戦車にガンナーとして乗り込むレイルシューター。
- 照準射撃に加え、方向入力ダブルタップによる二系統の緊急回避操作があり、単なる受動的レイルシューターと一線を画す。
- 自機は敵攻撃を一定範囲で自動回避するため、低練度なプレイヤーでも避けて撃ち返すスリリングな戦闘が体験できる。
- 自動回復するダメージゲージ制であり、射撃中は回復がおこなわれないことから、リソースマネージメントゲームとしての一面も有する。
- 16面(本作ではAREA)構成*4、以降、敵耐久力と回避困難な誘導ミサイル密度が高くなることで難易度が上がり続けるエンドレス。
技術的特徴
- 拙作としては初めての48KB ROMカートリッジ。ページ0に常時アクセス不要のデータを集約しており、本作ではブート時にここから圧縮されたデータがVRAM 128KBへ事前展開される。
- パターンジェネレータテーブルとカラーテーブルのベースアドレスを非同期に切り替え続ける手法で実現されたスペースハリアー風奥行きスクロール。
- 同じくスプライトジェネレータテーブルのベースアドレス切替により実現されるシームレスなパターン数拡張。
- MULTICOLORモード近似の手法で実装されたダイナミックにアニメーションする巨大ボスキャラクタ。
- アトリビュートテーブル切替による拡張されたスプライト表示数。
- MSX2専用ながらVSYNC切替に対応*5し、事実上の難易度調整機構になっている。PAL(50Hz/16.6fps.)で目を慣らした後にNTSC(60Hz/15fps.)でプレイすると、誘導ミサイルの軌跡が追えるようになってちょっとしたニュータイプ気分を味わえる。
裏話
- ROMカートリッジ版のみ、ブート後の初期化終了時に上カーソルキーを押し続けておくとサービスメニューが起動する。
- 普通にプレイするとラスボスはAREA 16に登場するが、AREA 2の浮遊要塞を速攻撃破するとボスキャラクタの登場が前倒しになり、AREA 10で1周クリアとなるショートカットがある。
- ボスキャラクタを倒してもKILLカウンタが回らないバグがある。
- クラウドファウンディングで発行されているレトロゲーム愛好家向け年刊誌 8 BIT ANNUAL*6が本作に惚れ込み、MATRAに対して同誌同梱用の本作ROMカートリッジを所望したため、タイトル画面表示が若干異なるバージョンが流通している。ゲーム内容はまったく同じ。
- タイトル画面の他、画面左下インジケータのフォントでROMカートリッジ版とMSXdev版を見分けることができる。