佛陀斬*1は2018年にリリースしたMSX用シューティングゲーム。スペイン、MATRA COMPUTER AUTOMATION*2からROMカートリッジ版がリリースされた。
コンセプト
- 釈迦が六道輪廻をブッだ斬る罰当たりなアクションシューティング。
- 主にヨーロッパ市場をターゲットし、演出に漢字を多用する等露骨なジャポニズム迎合を謀ったが思ったほどウケなかった。
- 方向操作+シングルトリガで、剣撃、防御、射撃をコントロールする直感的な操作系。
- 7面(本作ではREALM)構成のエンドレスループ。基本的にはパターンゲームの部類となるが、敵キャラクタ速度、弾密度が広いレンジで変化し、8周目まで難しくなっていく。
技術的特徴
- NTSC/PALの二種のMSX規格に対し自動速度調整。
- ピクセル単位の差動横スクロール。縦方向にも変化し奥行きと空間的な広がりを表現。
- 優先度付スプライトローテータによる拡張されたスプライト表示。
- 手作りフォントによる漢字表示。
- 延べ4曲のBGMで、トラックデータを他曲と共用することで容量利用効率を1.5倍にするテクニックが用いられている。
- 可変性の高いオブジェクト管理機構による幅広い難易度レンジ。
裏話
- ROMカートリッジ版のみ、ブート時に上カーソルキーを押し続けておくとサービスメニューが起動する。
- 隠しキャラとして耶蘇*3が登場する。出現条件は、(1) 2周目以降で、(2) REALM 1に戻されるペナルティを受けた直後に、(3) 飛来する四苦が編隊を組む前に全滅させる、となる。耶蘇の導きにより、佛陀はペナルティを受けたREALMからゲーム再開となる。
- ゲーム中の漢字または英語表記される仏教用語、仏典章句、すべてに典拠が存在する。典拠がないのは佛陀が剣を振り回すこと*4くらいである。
- 作者自身は本作をMSX版マニ車だと思っている模様*5。
- 散見される本作への海外でのレビューを見るに、少なくない人が主人公を SAMURAI だと思っている模様。
*1:英語名:BUDDHAGILLIE、ぶっだぎりー、と読ませる単なる駄洒落。
*4:一般に出家者が刀杖を所持することは戒律で禁止されていたとされる。
*5:https://twitter.com/Nobuaki_Washio/status/1049634044638416896