CONCLAVE of Darklord*1は2021年リリースのMSX用アクションゲーム。スペイン、MATRA COMPUTER AUTOMATIONS*2からROMカートリッジ版がリリースされた。
コンセプト
- ソロプレイから最大6人同時プレイまでに対応した、勝ち残り制マルチプレイヤー対戦剣戟アクションゲーム。プレイヤーが担当しないキャラクタ*3は自動的にAIで補完される。
- 操作は左右旋回とジャンプの3ボタンのみ。キャラクタ毎に固定アサインされたキーボード上の3つのキー、またはカーソルキー/ジョイパッドで操作する。
- 敗退しても、一定時間後に再参戦が可能であり、プレイヤーが担当しないキャラクタは自動的に再参戦する。この仕様のため、勝利するには一気に自分以外のすべてのキャラクタを倒す必要がある。
- メインとなるCONCLAVEモードに加え、チーム戦*4となるARMAGEDDONモード、プレイヤーが全滅してもAI同士が戦い続けるFREEモード、の3つのモードがある。
- CONCLAVEモードはプレイヤーが勝利するとエンディングデモが流れ、タイトルロゴ上の星の数が増えてAIの難易度が上がる。星の数は最大3つ*5だが、内部的には難易度は10段階ある。
技術的特徴
- 48KB ROMカートリッジ仕様。五条大橋とは異なり、リアルタイム再生されるボイスデータがページ2に配され、グラフィックデータがページ0に詰め込まれている。
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Shoulder Blade OUTERSPACEのそれをさらに拡張した優先度付きスプライトローテータを実装。1つのキャラクタが最大7枚のスプライト*6を用いて多色摺りされる。
- VSYNC毎に駆動されるスプライトローテータの、VRAM書き込み2バイトに1回さらに割り込むことで実装された1ビットサウンドポートPCMによるリアルタイムボイスエフェクト*7。
裏話
- ブート時に上方向へ入力しておくとサービスメニューが起動する。
- 時折何もない位置に火花エフェクトが表示されるバグがある。
- WebMSX*8 NetPlay! 向けに一部機能を制約したフリー版*9が公開されており、製品版封入のインストラクションカードに印刷されたQRコードからスマートフォン等でブートしてネット対戦できるという、MSX界隈では前代未聞の試みをやっているのだが、まったく話題にすらならなかった、と言うか、コレはそもそもいろいろと間違っている。
- 製品版は登場キャラクタ6人に合わせた6種の色違いパッケージが用意され、オーダー時に好みのそれを選ぶことができた。
- 本作リリースと同時にMATRAが活動終了を宣言したため、事実上本作がMATRAの最終製品という栄誉(?)を担うことになってしまった。
*1:コンクラーベ・オブ・ダークロード、と読む。Conclaveとは本来は枢機卿を一室に閉じ込めておこなわれるローマ・カトリックの法皇選出選挙のこと。
*4:6人のキャラクタは装備する光子剣の色でマントラ派とダーラニー派に分かれている。
*5:合わせてエンディングデモが変化する。
*6:二刀流時。そうでない場合は5枚。6人対戦時1人が二刀流になると5人×5枚+7枚=32枚ですべてのスプライトを使い尽くすことになるが、加えて画面上にはアイテムや火花等のエフェクトがやはり大量にスプライトで表示されるという黒魔術を使っている。
*8:https://github.com/ppeccin/webmsx
*9:Online Edition beyond COVID-19と呼称。https://youtu.be/RIcqStywkbQ も参照されたい。2022年8月に公開終了予定。